今回の記事は、Claudeと共著です。
お風呂で冒頭のXの投稿を見て、「これってどういうこと?」とClaudeに質問してみたところ、現状や過去の出来事の深掘りが始まって、、、面白かったのでレポートにしたててもらって、それを私がところどころ編集したものになります。
Substack、メインストリーム化、した??
Xを眺めていたら、こんなポストが目に留まった。
“Substack becoming mainstream will do irreversible damage to the Turing Test.”
—hampton (@hamptonism)
訳すと
「Substackがメインストリームになることは、チューリングテストに取り返しのつかないダメージを与えるだろう」。
どうやら意味としては、
Substackの記事は整っていて読みやすい。
AIの出力も整っていて読みやすい。
もう見分けがつかないじゃないか
…という皮肉の様子。
リプライにも「they mainstreaming everything rn, guess why(今なんでもメインストリーム化してるよな、なぜだかわかるだろ)」とAIの普及を暗に匂わせた返しがついていた。
小声:うーん、、、でもこの記事を読んでもらうとわかると思うけど、、ところどころ矛盾があるし、日本語でいうとまだAIのポン出し生成記事は「わかる」気がする。。書いてもらっておいてごめんよClaude。。
いや、実を言うと気になったのはチューリングテスト云々ではない。
最近、確かにSubstackの記事はXでよく見かけるようになった。
いや、今までもちょいちょい目に留まってはいたのだけど…….X内で共有された記事が話題になることはあっても、Substackというプラットフォームそのものについてを言及する投稿はあまり目にすることはなかった(少なくとも、私の視野の範囲では)。
んで、Substack、本当に「メインストリーム」になったのだろうかと気になって、Claudeにいろいろ調べてもらった次第。
何度かくどいこと書いてしまっている通り、私は2022年からSubstackで記事を公開している。
始めた頃は「Substackって何?」状態で、確かに日本語で解説した記事もいくつかあったけど実際使ってみると大体実態と異なる状況だった(これはSubstackの開発・実装が早かったのもある)。
それが今や、Xのタイムラインに流れてくる英語の長文記事は、リンク先がSubstackばかり。カスタムドメインを適用しているPublication/記事も多いのでぱっと見そうと気が付かないことも多いが、辿ってみるとホームはSubstackだったりすることが本当に多い。
なので、「メインストリーム、なった?」という疑問について、感覚としては「そうなんだろうな」と思うのだが、実際のところどうなのか。
気になって調べ始めたら、いろいろ出てきた。
数字のお話。
これは先だってもこちらの記事でちょっと記載済みで内容が重複してしまうけれど。。
Substackの有料サブスクリプション数は500万を超えている。
2024年の200万から倍以上。
アクティブなサブスクリプション全体では3,500万。
2025年7月には1億ドルを調達して、評価額11億ドルのユニコーン企業になっている。
さらに面白いのが、直近3ヶ月だけでアプリ内から3,200万の新規サブスクライバーが生まれたという数字だ。
つまり、外部のSNSやGoogle検索からではなく、Substackの中で読者が新しいライターを見つけている。
どうやら、もはやSubstackは「メール配信ツール」ではない。
中で人が回遊する「エコシステム」になっている。
あと、これもXのTLあたりで目の前を通り過ぎて行った投稿だったけど、「西海岸のスタートアップがSubstackアカウントを開設するのがトレンド」みたいなことを書いているものもあった。…そうなんだ??
そういえばMediumを見なくなった
Substackの数字を追っていて、ふと気づいた点として、
「最近、Mediumどこいった?」
少し前まで海外産の長文記事と言えばMediumだと思っていた。
けど、課金システムが微妙だなぁと印象を持ったぐらいで、「Substackの競合なんだな」ぐらいに捉えていた。
ということでClaudeにいっちょ調べてもらったところ、おおお。。。
Mediumのトラフィックは2024年1月時点と比べて月間訪問者数がほぼ半減(!)
あるライターは「月数千ドル稼いでいたのが、今は6ドル」と書いている。
....6ドル。
どうやら凋落の原因はGoogleのAI Overviewにあるらしい。。
Google検索の結果ページにAIの要約が出るようになって、わざわざリンクをクリックする人が減った。
ニュースサイトへのGoogle検索トラフィックは前年比33%減。
Mediumはオーガニック検索に大きく依存していたから、この「ゼロクリック検索」の波をもろに被った。
(個人的には、Mediumの課金システムも悪手でそれも原因では?とちょっと思っている)
一方のSubstackは、そもそもGoogleに依存していない。
コアと出自は「メール配信」。
「検索アルゴリズムがどう変わろうとメールは届く」し、アプリ内のレコメンデーション機能が独自のディスカバリーを回している(これが上述の「エコシステム」)。
ただ、面白い使い分けをしている人もいて、
「MediumはAIに拾われやすいからSEO用に使い、ファンとの関係構築はSubstackで」
という戦略を取るクリエイターが出てきているそうな。
MediumはAIの教材、Substackは人間の居場所。
(あれ、でもSubstackもAIに拾われやすくて、そのおかげで課金が増えている、というフローがあるという話だったような。SEOも強い印象あるし。。)
競合が本気で殴りにきている
Substackが大きくなれば、当然競合も黙っていない。
Beehiiv
同じようなニュースレターPF。
Substackの経済モデルを真正面から突いている。
Substackは有料サブスクリプション収益の10%を手数料として取る。
Beehiivは0%。
加えて広告ネットワーク内蔵、リファラルプログラム、メール自動化。
「稼ぐ人ほどSubstackだと損をする」という構図を突き、月の有料収益が400〜600ドルを超えるあたりでBeehiivの方がお得になる計算。
(私もお気に入りだったニュースレターが一個Beehiivにお引越ししてしまったけど、引き続きメールは届いている。この手のニュースレターPFはメールアドレスのリストをExportできるため)
Substackは「ソーシャルパブリッシング・エコシステム」を目指している。
コミュニティの中で人が見つかり、つながり、お金が回る。
Beehiivは「中立的なツール」志向。
データは全部あなたのもの、プラットフォームへの依存は最小限に、と。
Patreon
クリエイターエコノミーの雄、日本で言うとPixivのFanboxみたいなところだけど、ここはもっと露骨に袖まくりしてパイの争奪戦にかかってきている。
2025年10月、人気Substackライターを金銭的インセンティブ付きで引き抜き。
Anne Helen PetersenやLyz Lenzら
ニュースレター機能を大幅アップグレード中
明確にSubstackの領域に踏み込んできている。
Substackから離脱したライターたちの不満としては。
メールが届かない。
サポートに人間がいない。
Notesなどのソーシャル機能ばかり強化されて、肝心のニュースレター体験がおざなり。
「大量の無料サブスクライバーは来たけど、開封率は下がり、有料転換は横ばい。見た目の数字はよくても、ビジネスとしてはダメだった」。
Substackの共同創業者マッケンジー(McKenzie)氏は反論している。
「Patreonは大金をかけてライターを引き抜いているが、彼らがやろうとしていることは、Substackが既に持つネットワーク効果をゼロから構築すること。そのために、まさに同じソーシャル機能を作ろうとしている」。
言い分はどちらもわかる。
ただ、ライター側から見れば「10%の手数料を取っておいて、メールが届かないのは困る」というのは、至極まっとうな不満だろう。
個人的には「メールが届かないなんて、、そんなことあるんだ。。設定ミスじゃなくて?」とはちょっと思う。Substack、設定かなりこまごまできるから。。
イーロンがSubstackを買おうとしていた件
調べていて一番驚いたのがこれだった。
2023年4月、イーロン・マスクがSubstackのCEO Chris Best(もう一人の共同創業者、静かな方)に電話をかけて、「Substackを買いたい」とストレートに伝えていたそうな。(ソースはThe New York Timesの報道。)
当時マスクはXの有料サブスクリプション機能を強化しようとしていて、統合後の会社のCEOポストまでBestに提示したという。
(あと、オランダのニュースレター/ブログPFを何とかしようとしていた気がする)
Bestは断った。
その直後から、事態はエスカレートした。
これは私も目撃した。
イーロンとマッケンジーがかなり激しくやりあっていた。
SubstackがNotes(短文投稿機能)をローンチすると、マスクは「Twitterクローン」と批判。
そしてTwitter上でSubstackリンクへのいいね・リツイート・リプライが無効化された。
「substack」という単語自体が検索不能になった時間帯すらあったらしい。
Substackリンクに「有害(unsafe)」ラベルが付いた。
今もXでOGPが表示されたりされなかったりしている。
(SubstackのShare機能で画像を作れるのはその名残り)
「買えなかったから潰しにかかった」…のかな、多分。
皮肉なのは、マスクが自ら選んでTwitter Files(旧Twitter体制の内部文書公開)を任せたジャーナリストMatt Taibbiが、この反Substack施策をきっかけにマスクと完全に決裂したこと。
マスクが最も信頼を寄せていた書き手が、マスクのプラットフォーム支配に反旗を翻した。
大きな反発を受けて、制限は数日で撤回された。
結果的にSubstackへの大量の無料宣伝になったと言われている。
イーロンとマッケンジーがやり合っているのはリアルタイムで目撃したし、マスクがやたらSubstackを意識しているのも感じていた。
(なのでずっと「Xの次の実装はなんだろう」「Xは将来的にこうなるよね」は手に取るようにわかる感覚があった)
でも「買収を打診して断られた」という前段があったのは知らんかった。。
Grokの学習データとして質の高い記事が欲しかったのか、それとも単純にXのサブスクリプション経済を強化したかったのか。
おそらく両方かな、と。
イーロンが欲しがっていたのは、「お金を払ってでも読みたい」と思わせるジャーナリストと、実際にお金を払う読者層。それはまさにSubstackが持っていて、Xが持っていないものだったので(今となっては状況は異なるものの)。
一方のXは。。
これも何度も書いている通り、私自身は今のX/イーロンにそこまで悪感情は無いのであまり書きたくはないものの...(でもClaudeが調べてくれたので...)
どうやらマスク買収以降、月平均14%のユーザーを失い続けている様子。
ブランド価値は57億ドルから6.73億ドルに暴落。
収益は前年比40%減。
スタッフ80%削減でモデレーションは崩壊し、2024年11月の大統領選後には史上最大のユーザー離脱が起きた。
でも…2024年の大統領選後、ということは大量離脱したのは民主党方面の人たちなわけで。
しかし2026年の現在、エプスタインファイル方面の騒動を考えると、明らかに主力は民主党の人たちなわけで(共和党/MAGA支持者もどうもそこに合流している様子)
昨今の状況はまたちょっと違うかもしれない。
「プラットフォームは誰のものか」
ここまで調べてきて、結局たどり着くのはこの問いだ。
Substackの創業理念は一貫している。
CEO Chris Bestの言葉がいい。
「ライターは広告やアルゴリズムに依存すべきではない。自分を大切に思ってくれる人から直接お金をもらうべきだ」。
もう一つ、Bestが繰り返すフレーズがある。
”People will hate-click something. But they won’t hate-pay for it.”
(人はヘイトクリックはするが、ヘイトペイはしない)
嫌いなものにクリックはしても、お金は払わない。
広告モデルは怒りや好奇心のクリックで回る。
サブスクリプションモデルは、信頼と価値の上にしか成り立たない。
この違いは本質的。
ただし、Substackがこの理念を永遠に保てるかどうかは、わからない。
あるSubstack上の論考はこう警告していた。
「すべてのプラットフォームはミッションから始まり、最終的にはモノポリーに至る。このサイクルは繰り返される」。
Instagramもかつては写真好きの小さなコミュニティだった。
YouTubeもクリエイターのためのプラットフォームだった。
拡大するほど、初期の理念は薄まる。
プラットフォームも成長する。
でも、一つ構造的に大きな違いがある。
Substackでは、ライターが自分のメールリストをいつでもエクスポートして持ち出せる。
プラットフォームを去っても、読者との関係は残る。
Xにはそれがない。
Instagramにもない。
この「ポータビリティ」は、小さなことのようで、実はすごく大きい。
データポータビリティ推進団体のOpenMediaは、まさにこの問題を指摘していて、
「すべての主要なオンラインネットワークは、ネットワーク効果の力でユーザーを人質にしている」
日本にいる私たちの話
ここまでの話は、ほぼ英語圏の話だ。
日本ではまだXが強い。
短文はX、長文はnote。
この構図は当面変わらないだろう。
日本語でSubstackを使っている人は、まだかなり少数派だと思う。
でも、Xのタイムラインで流れてくる英語の記事、最近ほとんどSubstack…になりつつある。。
たぶん、、、テクノロジー、政治、経済、カルチャー——英語圏の一次情報の「ホーム」は、もうSubstackに移っている。
日本から英語の情報を追っている人にとって、Substackはすでに「知っている」どころか「日常的に読んでいる」プラットフォームになりつつあるのかもしれない….というのは言い過ぎかもしれないけど、もしかしたら今年あたりにそうなるのかもしれない。
2026年3月。データ出典:The New York Times, Backlinko, Sacra, Similarweb, NBC News, Adweek, Nieman Journalism Lab, Press Gazette, Reuters Institute, a16z ほか




